4年間ホンモロコ養殖を続けて分かった!本当に買って良かったもの・不要だったもの
FarmNozomi代表の齊藤です。
私はホンモロコ養殖を始めて、4年が経過しました。
始めた当初は成長が純粋に楽しくて夢中になりました。
しかし、実際に養殖を続けてみると、魚を育てること自体よりも、
- 水質を安定させる
- 鳥や獣から守る
- 毎日の管理を省力化する
- 出荷できる量まで増やす
という部分の方が難しいと分かりました。
設備についても、買って良かったものがある一方で、ほとんど使わなくなったものもあります。
この記事では、FarmNozomiが4年間ホンモロコを飼育して分かった「必要なもの」と「不要だったもの」を、失敗談も含めて紹介します。
私が4年間で一番後悔したことは「設備選び」でした。
高い設備を買えば成功すると思っていましたが、実際は逆でした。
本当に必要だったのは数万円の設備で、高価な設備は後回しで十分だったのです。
今回は4年間で50万円以上設備や資材に触れてきた中で、本当に残ったものだけ紹介します。
この中でも実際に必要としたものは15万円程度で十分でした。
結論:最初に買うべきものはこれ
これから小規模で始める場合、最初に必要なのはこちらです。
- 水量を確保できる飼育容器
- エアポンプ
- スポンジ式ろ過器
- ゾウリムシ&粉餌
- 水質チェッカー
- 水タンク
- 水中ポンプ
反対に、初年度から高価なろ過装置や自動給餌器を購入する必要はありません。
まずは100~300L程度の容器で繁殖と稚魚育成を経験し、管理できる匹数を確認してから設備を増やす方が、失敗による損失を抑えられます。
初期費用の目安は、容器を流用できれば1万~3万円程度です。
買って良かったもの① 飼育容器
結論
- 最初発泡スチロール
- 1ヶ月以上経過で下排水のプラスチック容器深さ50cm程度
- それ以降は丸型水槽を探す方が効率的
- 発泡スチロール(深さ20cm~30cm)(孵化から1ヶ月程度)
- プラスチック容器(深さ40cm~)(6ヶ月まで)
- プールはダメ、丸形水槽がオススメ(5ヶ月)
最も買って良かったのは、水量を確保できる飼育容器です。
ホンモロコは小さな魚なので、小型の容器でも飼育自体はできます。
しかし、水量が少ないほど、
- 水温が急激に上がる
- 餌の食べ残しで水が汚れる
- 酸欠になりやすい
- 魚の密度が上がる
- 病気が広がりやすい
という問題が発生します。
最初は発泡スチロールで管理し1ヶ月経過したら下排水の出来る容器がオススメ。ホームセンターなどにあります。

FarmNozomiでは、約170cm×240cm×深さ60cmのプールも使用しました。
満水にすると水量が多すぎるため、実際には水深30~40cm程度で管理します。この場合の水量は約1,200~1,600Lです。
水量が1,000Lを超えると、小型容器より水温と水質が安定しやすくなります。
ただし、四角いプールは角にフンや残餌がたまりやすいのが欠点です。しかも物によっては水位20㎝位で水が排水出来ず片付けが非常に面倒なので四角いタイプのプールはオススメしません。その当時購入したのはフレームプールでした。養殖の用途で無ければ丈夫でいいのですが排水掃除の面ではオススメしません。
今から新たに購入するなら、底の汚れを中央へ集めやすい丸型水槽を選びます。
今回、新しく購入したのはこちら↓
【車上渡し】(送料別途見積) カイスイマレン 丸型槽 MHシリーズ 容量:500L/重量:13kg (完成品) MH500 | 業務用 大型容器 農水産業用 プラ容器 プラスチック容器 大型バケツ 丸型 ポリエチレン |
注意点
- 個人宅配送不可
- 車上渡し
- 最初は要らない
おすすめのサイズ
| 用途 | 容量の目安 | 飼育数の目安 |
|---|---|---|
| 親魚・採卵確認 | 100L | 1000匹 |
| 稚魚育成 | 200L | 300匹 |
| 中間育成 | 1,000L以上 | 300~1,000匹 |
| 本格養殖 | 3,000L以上 | 水質管理に応じて調整 |
魚の数は、エアレーション、ろ過能力、水替え頻度によって大きく変わります。最初から限界まで入れず、予定数の50~60%から始める方が安全です。
数字で一応出しましたが稚魚も容器の半分くらいの針子なら問題ありません。1ヶ月以上経過した場合は深さを意識して容器を準備しましょう。針子の時は深さはそこまで必要ではありません。
買って良かったもの② エアポンプ
エアポンプは、ホンモロコ養殖で最優先の設備です。
特に危険なのが、夏場と明け方です。
水温が上がると水中に溶け込める酸素量が減り、魚や微生物は夜間も酸素を消費します。そのため、日中は問題がなくても、明け方に酸欠が起こることがあります。
魚が水面に集まり、口をパクパクさせている場合は酸欠を疑います。
エアポンプは飼育槽1台につき1台ではなく、少し余裕のある能力を選び、分岐して使用した方が管理しやすいです。
エアレーションはロカボーイを使うのにも便利なので必須アイテムになります。
ジェックス GEX AIR PUMP e‐AIR 6000WB 吐出口数2口 水深50cm以下・幅120cm水槽以下 静音エアーポンプ
私も現在、四つ使用していますが稚魚の時には必須のものですし、壊れたり不具合はありません。当初、高かったのでメルカリで安く購入できたのでタイミングでメルカリも確認すると良いかもしれません。
買って良かったもの③ スポンジ式ろ過器
何も知らずに始めたころは濾過が分からず散々な事に↓

FarmNozomiでは「ロカボーイ」のような、エアポンプで動かすスポンジ式ろ過器を使用しています。
構造は単純ですが、小規模養殖では非常に使いやすい設備です。
スポンジに汚れを吸着させるだけでなく、内部にバクテリアが定着し、魚に有害なアンモニアなどの分解を助けます。
1ヶ月以内はこれは必要ではありませんが1ヶ月以上経過したら稚魚の事故が減ります。私は当初ロカボーイを導入せず濁ったまま全滅という最悪のシナリオを経験した事があります。硝酸過多によるものだと今となっては分かりますが当時は分からずひたすら試行錯誤を重ねた結果。巻き込まずしかも水も綺麗になって安価という事で現在も重宝してます。
メリット
- 価格が500~1,500円程度と安い
- 構造が簡単で壊れにくい
- 電源はエアポンプだけでよい
- 稚魚を吸い込みにくい
- 掃除が簡単
- 複数設置しやすい
大型プールでは、ろ過器を1個置くだけでは能力が足りません。FarmNozomiでは複数設置して、水のよどみを減らしています。プラス大型容器の場合は大型濾過器も導入し対応しています。
ロカボーイは5ヶ月程度は必須と思っていいと思います。
掃除は1~2週間に1回が目安ですが、水道水で徹底的に洗うと定着したバクテリアまで減る可能性があります。交換予定の飼育水で、軽く汚れを落とす程度にしています。
買って良かったもの④ ゾウリムシと粉餌

ホンモロコ養殖では、水質管理と同じくらい餌が重要です。
様々な餌をひたすら試しました。
- 鯉餌
- 赤虫
- ハイグロウSS
- ゾウリムシ
- グリーンウォーター
- PSB
- 蜂の子
- モロコ餌
| 品名 | ポイント |
| 鯉餌 | サイズがデカくてミルで粉砕確定(めんどくさい)食いOK |
| 赤虫 | 食いOK。コスト最悪 |
| ハイグロウss | 食いOK、コスパOK、タンパク質OK 最高 |
| ゾウリムシ | 増殖OK、食いOK、コスパ最強 最高 |
| グリーンウォーター | 初心者向けじゃない。酸欠リスクあり。敬遠すべき |
| PSB | よくわからん。気休め |
| 蜂の子 | 自家繁殖。粉末状にしてあげたら食いOK |
| モロコ餌 | 食べやすく沈下性でかなり良い。値段高いのと業者が少ない |
私の最適解
私の最適解はゾウリムシを繁殖+ハイグロウssをこまめに給仕で大きくなったらモロコ餌もしくは鯉餌をミル粉砕で与えるです。ゾウリムシは針子→稚魚→成魚でも与えても良いので本当にオススメ。
買って良かったもの⑤ 水質計
水産養殖専用 水質測定器 5 in 1 pH/EC/TDS/塩分濃度/温度測定器 PPM検査 塩分濃度計 自動温度補償 減塩生活 水耕 海水 水族館 海洋 錦鯉池など
水質計は5000円位しますがホンモロコの状態確認には必須です。
ホンモロコの餌食いや酸素消費量は、水温によって変化します。
特に真夏は、水温が30℃を超えていないか確認します。浅い容器は気温以上に水温が上がることもあります。
最低でも朝と午後の1日2回、水質を確認すると変化を把握しやすくなります。
確認すべき項目
- 水温
- PH濃度(徐々に酸性になる)
買って良かったもの⑥水タンク
水タンクは水を入れておくことでカルキ抜きをしておくのに最適です。私の住んでいる宮崎県は綺麗な水でカルキ臭はほぼなく引用可能な水ですが念のためカルキ抜きをするのに適しています。私自身が購入したのはビニールタンクで価格も3000円位でした。TEMサイトで購入しました。今もブルーベリーの散水現場で活躍しています。
買って良かったもの⑦排水ポンプ
水中ポンプは濾過器などを設置するのに必須です。オススメはエーハイムの1000規格になります。
1000規格だと大きめな濾過器も動かせて尚且つアナカリスなどが巻き付いても手入れがそこまで必要ありません。
300規格が安いので購入しましたが残念ながら水草が絡まり止まる事も多かったです。
※ポンプHzを間違えないように!

西日本と東日本で違いますのでご注意を!!!
西日本用
【7/18限定】当選確率2分の1!1等最大100% 水中ポンプ エーハイム コンパクトオン NEW 1000 60Hz 西日本用 400〜850L/h
東日本用
【7/18限定】当選確率2分の1!1等最大100% 水中ポンプ エーハイム コンパクトオン NEW 1000 50Hz 東日本用 400〜1000L/h
逆に必要無かったもの
- 自動給餌期(能力次第)
- 飼育容器の大量購入
- 欠陥構造の池
不要だったもの① 雨や湿気に弱い自動給餌器
自動給餌器は、遠隔地での養殖には魅力的です。
FarmNozomiの池も自宅から約2km離れているため、給餌だけのために移動することが負担になっています。
往復15分を1日1回、年間200日続けると、移動だけで約50時間です。燃料代まで含めれば、自動化する価値はあります。
しかし、一般的な安価な自動給餌器は、屋外で使うと次の問題が発生しました。
- 湿気で餌が固まる
- 雨水が入る
- 排出口が詰まる
- 粉餌を一定量出せない
- 電池切れに気づきにくい
- 故障しても遠隔地では確認できない
特に粉餌は湿気を吸いやすく、自動給餌との相性が良くありません。
安い給餌器をそのまま屋外へ置く方法はおすすめしません。
導入するなら、防水ボックス、除湿構造、詰まりにくい2mm前後のペレット、作動確認用カメラまでセットで考える必要があります。
設備費は簡易型でも2万~5万円程度になるため、まずは給餌回数や移動時間を記録し、年間で何時間削減できるか確認してから導入すべきです。
不要だったもの② 飼育容器の大量購入
小型容器は、親魚の選別や一時的な隔離には便利です。
しかし、メインの育成槽として何個も使用すると管理が増えます。
例えば、容器が5個あれば、
- 水温確認
- 給餌
- ろ過器の清掃
- 水替え
- 魚の状態確認
を5か所で行う必要があります。
1容器5分でも、1日25分、年間200日で約83時間です。
同じ水量なら、小型容器を5個管理するより、大型水槽を1~2個管理する方が作業を減らせます。
小型容器は繁殖、稚魚、病魚隔離など、目的を限定して使うのが適しています。
成魚を入れるものは
- 排水の利便性
- 継ぎ足ししやすい容器
- 大きいのを1つより中くらいのを3つおけるイメージ(リスク分散)
不要だったもの③ 魚を守れない自然の池
池での養殖は、大量の魚を低コストで育てられるように見えます。
しかし、管理できない池へそのまま放流すると、
- サギやカワウによる食害
- 大雨による流出
- 土砂の流入
- 水位低下
- 酸欠
- 魚の生存数を確認できない
- 捕獲できない
といった問題が起こります。
FarmNozomiでも、大雨や崖崩れの影響を受けました。
池そのものが不要なのではありません。
防鳥、給排水、越流対策、捕獲場所まで設計されていない池への放流が、養殖設備としては不十分だったということです。
まずは管理できる水槽で増殖させ、余剰分を池へ移す方が安全です。
これから始める人におすすめする初期設備
100~300L程度で始める場合の目安です。
| 設備 | 費用 |
|---|---|
| 飼育容器 | 10,000円 |
| エアポンプ | 6,000円 |
| スポンジ式ろ過器 | 3000円 |
| 水質計 | 5000円 |
| ホース・網・バケツ | 4,000円 |
| 合計 | 約30000円 |
最初から10万円以上の設備をそろえる必要はありません。
まずは親魚10~30匹程度から始め、
- 産卵させる
- 卵を回収する
- 稚魚を育てる
- 夏の高水温を乗り切る
- 越冬させる
この一連の流れを1年間経験することが先です。
繁殖と生存率を確認してから、500L、1,000L、3,000Lと段階的に拡大する方が失敗を減らせます。
4年間続けて分かった一番大切なこと
4年間ホンモロコ養殖を続けて分かったのは、高価な設備を購入しても、それだけで養殖が成功するわけではないということです。
大切なのは、
- 毎日確認できる構造
- 掃除しやすい構造
- 魚を捕まえられる構造
- 鳥や獣から守れる構造
- 大雨でも魚が流出しない構造
を先に作ることです。
特に屋外養殖では、魚が育つかどうかだけではなく、「育った魚を最後まで残して回収できるか」が重要です。
今後のFarmNozomiでは、丸型水槽、底面排水、ソーラー電源、カメラによる遠隔確認、自動給餌を組み合わせ、2km離れた場所でも管理できる仕組みを作る予定です。
まだ販売規模には至っていませんが、これまでの失敗を無駄にせず、小規模でも継続できるホンモロコ養殖の形を検証していきます。
ホンモロコ養殖は、「高級魚だから簡単に儲かる」という事業ではありません。
しかし、毎年少しずつ改善を重ねれば、生存率は確実に上がります。
FarmNozomiも、まだ完成形ではありません。
丸型水槽への変更、ソーラー電源、IoTによる遠隔監視、自動給餌など、新しい仕組みを取り入れながら、より効率的な養殖方法を検証していきます。
このブログでは、その成功だけでなく失敗も公開していきますので、これからホンモロコ養殖を始める方の参考になれば幸いです。

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