和梨の夏剪定はなぜ必要?袋掛けとあわせて品質向上のポイントを紹介

目次

はじめに

和梨栽培では、春の摘果が終わると「袋掛け」と「夏剪定」という重要な管理作業が始まります。どちらも果実の品質や収穫量に大きく影響するため、毎年欠かせない作業です。

袋掛けには病害虫や日焼けから果実を守る役割があり、夏剪定には樹の風通しや日当たりを改善し、果実の肥大や糖度向上を促す役割があります。

この記事では、和梨栽培における袋掛けと夏剪定の目的や作業方法、管理のポイントについて紹介します。

記事構成

  1. 袋掛けの必要性
  2. 作業時期
  3. 作業方法
  4. 作業時間
  5. 失敗談
  6. 収穫について
  7. よくある質問

袋掛けの必要性

和梨は適切な管理を行うことで、見た目・大きさ・甘さが大きく変わります。

袋掛けを行う主な目的

  • 病害虫から果実を守る
  • 果面をきれいに保つ
  • 日焼けを防ぐ
  • 農薬散布後の果実を保護する
  • 商品価値を高める

一方、夏剪定には

  • 枝葉が混み合うことを防ぐ
  • 風通しを改善する
  • 日光を果実まで届ける
  • 病害の発生を抑える
  • 樹勢を整える

という目的があります。これらを適切に行うことで、品質の高い和梨づくりにつながります。

夏剪定をしない場合は枝が込み合い葉っぱや実が黒くなります。

我が家の作業時期(宮崎県)

FarmNozomiでは家族4人で掛けても60時間程度掛かります。

理由としては蜂の仕事と被って摘果が甘くて摘果+袋掛けを並行してしていくので時間が非常に掛かります。

梨園の方は摘果(プロ)でバイトが袋掛けという感じでしっかりと分担して時間効率を良くするようです。

これも棚仕立てだからこそやりやすいメリットになります。

袋掛けや夏剪定の時期は地域や品種によって多少異なります。

宮崎県では一般的に、

  • 摘果終了後に袋掛け
  • 初夏から夏にかけて夏剪定(7~8月)
  • 樹の状態を見ながら数回に分けて管理

することが多くあります。

気温や降雨量によって作業時期が前後するため、毎年樹の状態を確認しながら進めることが大切です。

果樹はこの時期が最適と断定する事は出来ません。その土地の気候やその年の状態に大きく左右されます。

現場で思うポイント
  • 雨後すぐに掛けない(病気確率上昇)
  • 葉っぱを巻き込まない(病気確率上昇)

実際の作業方法

袋掛け

袋掛けは果実を傷付けないように、一つずつ丁寧に取り付けます。取り付け方は袋に包み、口の部分をギュッと閉める。

袋が外れないよう固定し、果実全体をしっかり覆うことが重要です。

作業中には、

  • 病害虫の被害(黒点)
  • 傷の有無(すれ)
  • 奇形果(なり口からまっすぐかどうか)
  • 小玉果(この時点で小さいなら成長阻害もしくは遅いため除去)

なども同時に確認し、必要に応じて摘果を行います。

夏剪定

夏剪定では不要な枝を取り除きます。

枝を取り除き風通しを良くして農薬散布を効率化するのが重要です。

主に剪定する枝は、

  • 徒長枝(無駄に上に伸びてる枝)
  • 内向枝(幹の中枢に向かう枝)
  • 混み合った枝(重なり)
  • 日陰を作る枝(重なり)

など隙間が無くなったり重なったりする事で病気や成長阻害が起こるのを防ぎます。

枝を整理することで樹全体に光が入りやすくなり、果実の品質向上が期待できます。

切り過ぎると樹勢が弱くなることもあるため、全体のバランスを見ながら剪定します。

内向き枝はほぼ除去。徒長枝(無駄に上に伸びてる枝)は60%程度の除去を目安にしましょう。あくまで剪定は重なりや日当たりの改善のために行うものです。

※過度に行う事で木が弱る事が最も危険です。

小枝の場合は除去のみで大丈夫です。少し大きな切り口になる場合は切り口を保護しましょう。この際、硫黄剤は使わないようにしてください。葉っぱの薬害を出しますのでクリーム状の切り口保護剤トップジンMペーストを推奨します。


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作業時間

袋掛けや夏剪定は手作業が中心となるため、多くの時間を必要とします。

作業時間は、

  • 栽培本数
  • 樹齢
  • 樹形
  • 作業人数
  • 天候

などによって大きく変わります。

効率良く進めるためには、事前準備や役割分担も重要になります。

例)栽培本数50本に対し250個の実を袋掛けした場合50×250袋=12500袋 1袋=15円 15円×12500袋=187500円(経費)

人数4人だとして。1人=2時間で1本 8時間労働で4本だとすれば丸3日程かかります。

お金は掛かるし時間も掛かるしで和梨栽培で最も大変な作業と言えます。

FarmNozomiは果樹棚はあるのですが期間経過に伴い劣化していて果樹棚を更新せずにそのまま活用しているので立木栽培に近い方法で生産しています。だからこそ夏剪定の技術が必須になったりします。

失敗談

和梨栽培では、その年の天候や管理方法によって思うような結果にならないこともあります。

例えば、

  • 袋掛けが遅れた
  • 剪定不足で枝葉が混み合った
  • 摘果が不十分だった
  • 果実を着け過ぎた

などは品質低下につながる原因になります。

毎年反省点を振り返りながら改善を重ねることが、安定した品質につながります。

令和7年は摘果が甘く、実が小さく市場に出す数量が著しく少なかったことが反省点でした。

※摘果が甘いというのは↓

良い実が2つある時に保険として袋を掛けずに残してしまう甘さにあります。

心理的には保険を残したいですが残念ながらこのような事をすると甘さが分散してしまいます。

今年はそのミスを踏まえて徹底的に摘果と夏剪定を行い、今の所は非常に良い実がついています。

収穫への影響

袋掛けと夏剪定を適切に行うことで、

  • 果実が大きく育つ
  • 色づきが良くなる
  • 糖度が上がりやすい
  • 病害虫被害が減る
  • 商品価値が向上する

など、多くのメリットがあります。

一方で、管理不足になると小玉果や品質低下の原因となるため、日々の観察と適切な管理が重要になります

よくある質問

Q 袋掛けは必ず必要?

A 必須!どの品種でも袋掛けはしないと絶対ダメ!品質低下だけでなくほぼ無理

Q 夏剪定だけでも良い?

A ダメ。冬の休眠期に枝の更新や誘引作業をしないと込み合って次年度の収穫に大きく影響します。

Q 夏剪定で徒長枝は全部切る?

A ダメ!すべてを切る事で冬剪定時に引っ張る枝が無くなる事と夏場に全部落とすと木が弱る可能性があるので徒長枝の50~%を目安に剪定をする。日影にならない場合は残していても問題ない。ちなみに収量は落ちても良いなら必須作業ではない

Q 袋掛けは雨の日でもできる?

A ダメ。雨の影響で病気が入る可能性があるのでしないようにしましょう。

Q 夏剪定は毎年必要?

A 必須では無い。夏剪定はあくまで品質向上や味の良さに磨きを掛ける仕事。自分達で食べる分程度ならしなくてOK

Q 必須作業としなくても良い作業は?

必須作業
  • 肥料
  • 人工授粉(FarmNozomiは自然受粉(蜂が大量にいるため))
  • 農薬
  • 摘果
  • 袋掛け
  • 収穫
  • 冬剪定
やらなくても良い作業
  • 夏剪定
  • 摘蕾
  • 人工受粉

まとめ

  • 夏剪定は必須では無いけど収量と品質向上には必要
  • 木同士で遮って農薬が掛からないリスクを考慮すると農薬散布量減少には必須
  • 徒長枝は60%を目安にする。木が弱らないように。
  • 生い茂ると残った実などに病気が入ります。

和梨の袋掛けと夏剪定は、収穫前の品質を左右する重要な管理作業です。

一つひとつの作業は地道ですが、その積み重ねが見た目や甘さ、果実の大きさに表れます。

毎年の気候や樹の状態に合わせて管理方法を見直しながら、より良い和梨づくりを目指していきたいと思います。

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この記事を書いた人

syotaのアバター syota 代表

宮崎県高原町で整骨院を10年経営。
整骨院を経営しながら祖父と父から農地を引き継ぎ、養蜂と果樹に日々奮闘中!!現在は果物加工と農地拡大を目標に頑張っています。

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