こんにちは。
FarmNozomiの齊藤です。
FarmNozomiでは和梨を栽培しています。
梨というと、
「木に実がなって、秋になったら収穫する」
そんなイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、実際に栽培してみるとそんなに簡単ではありません。
和梨には技術が必要だから今からの新規就農は調べてから始めた方が良いよという風に伝えますが
和梨には、とにかく敵が多いです。
病気や害虫だけではありません。
せっかく大きくなった梨をカラスに食べられたり、台風で実が落ちたりすることもあります。

収穫まであと少し。
「今年も何とか収穫できそうだ」
と思った頃に被害が出ることも珍しくありません。
今回は、実際に和梨を育てている農家の視点から、収穫までにどんな敵がいるのかを紹介します。
結論|梨は収穫するまで気が抜けない
和梨栽培で大変なのは、
実を大きくすることだけではありません。
むしろ、
- カラスなどの鳥
- カメムシなどの害虫
- 病気
- 水不足
- 台風や強風
こうしたものから梨を守りながら、収穫まで持っていく必要があります。
特に梨は、収穫直前になるほど1個あたりの価値が高くなっています。
摘果して、袋を掛けて、草を刈って、水を与えて。
何か月も管理してきた梨が、収穫直前にカラスに食べられる。
これはかなり痛いです。
敵その1|カラス
FarmNozomiでも頭を悩ませているのがカラスです。
梨が大きくなってくると狙われます。
しかも厄介なのが、
1個をきれいに全部食べてくれるとは限らないこと。
少し突かれただけでも、その梨は商品として販売できなくなります。

仮に1玉300~400円で販売できる梨なら、10個被害を受けるだけでも3,000~4,000円分です。
50個なら15,000~20,000円。
小規模農家にとって、この損失は決して小さくありません。
令和8年8月は毎日50個以上はやられてます。
カラス対策も簡単ではない
最も確実なのは、梨園全体を防鳥ネットで囲ってしまう方法です。
しかし防鳥ネットには、
- 資材費がかかる
- 設置に時間がかかる
- 梨園が広くなるほど大変
- 台風対策も必要
といった問題があります。
そこでFarmNozomiでは、防鳥ネットだけに頼らず、テグスなどを利用してカラスが梨園へ入りにくい環境を作る方法も試しています。いわば複合対策です。
複合方法
- 防鳥網(効果は高い)
- テグス(コスパ良し)(工夫次第)
- 防鳥対策(風船)
- CD
重要なのは、
「カラスを完全に追い払う」
というより、
「この梨園には入りにくい」と思わせること。
カラスとの知恵比べです。
敵その2|カメムシ
梨を栽培していて非常に厄介なのがカメムシです。
果実を吸汁されると、梨の表面や果肉に被害が出ます。
外から見ただけでは分かりにくくても、果実が変形したり品質が低下したりする場合があります。
特にカメムシが多い年は注意が必要です。
鳥と違って、
「来た!」
とすぐ分かるわけではないところも厄介です。
気付いたときには複数の果実が被害を受けていることもあります。
対策は「農薬」と殺虫剤。
私は試験的ですがススメバチ誘引剤を木にぶら下げています。多少掛かっているけどしないよりはマシレベルです。
敵その3|病気
梨は病気との戦いもあります。
代表的なものには、
黒星病などがあります。
葉や果実に症状が出てしまうと、商品価値にも影響します。
果樹は野菜と違って、
「今年ダメだったから全部植え直そう」
というわけにはいきません。
同じ木を何年、何十年と使います。
そのため、病気が出てから慌てるのではなく、園内を観察して早めに対応することが重要だと感じています。
敵その4|水不足
生き物だけが敵ではありません。
FarmNozomiで特に苦労するのが夏場の水不足です。
梨の果実が大きくなっていく時期に雨が少ないと、水の確保が問題になります。
梨園が自宅のすぐ横なら散水も比較的簡単です。
しかし農地が離れていると、
水を運ぶ
↓
散水する
↓
また水を準備する
これだけでもかなりの作業になります。
しかも夏です。
気温30℃を超える中で毎回人間が散水する方法には限界があります。
そのためFarmNozomiでは、太陽光発電やポンプ、IoTを利用した散水の自動化にも取り組んでいます。
農業は「頑張って作業する」だけでは長続きしません。
できるところから自動化して、人間がやらなくてもいい作業を減らすことも重要だと考えています。
敵その5|台風
宮崎県で果樹を栽培する以上、避けて通れないのが台風です。
梨にとって特に怖いのが収穫前の台風です。
数か月かけて育て、
あと1週間、あと数日で収穫。
そんな状態でも強風で落果してしまえば販売できなくなることがあります。
さらに台風は果実だけではありません。
枝が折れたり、設備が壊れたり、防鳥ネットなどの資材が被害を受けたりする可能性もあります。
だからこそFarmNozomiでは、設備を増やすときも、
「台風が来たときにどうするか」
まで考えるようにしています。
宮崎で農業をするなら、設置できるかどうかだけではなく、撤去・補修まで考えておく必要があります。
梨1個を収穫するまで意外と長い
梨はスーパーに並んでいると、ただの1個300~400円程度の果物に見えるかもしれません。
しかし、その1個を収穫するまでには、
剪定
↓
開花
↓
受粉
↓
摘果
↓
袋掛け
↓
草刈り
↓
防除
↓
散水
↓
鳥害対策
↓
台風対策
↓
収穫
と、多くの作業があります。
しかも全部やったからといって、必ず収穫できるわけではありません。
最後の最後にカラスに食べられることもあります。
だから実際に栽培すると、
無事に収穫できた梨は、それだけで結構すごい。
と思うようになります。
カラスも害虫もゼロにはできない
農業をしていて感じるのは、
自然を完全にコントロールすることはできない
ということです。
カラスを1羽も来なくする。
害虫を1匹も発生させない。
台風を来なくする。
そんなことはできません。
だからFarmNozomiでは、
被害をゼロにするのではなく、費用と労力を考えながら「販売できる梨をどれだけ残せるか」を重視しています。
10万円の設備を入れて被害が1万円しか減らないなら、小規模農家には合わないかもしれません。
逆に数千円のテグスで毎年数万円の鳥害を減らせるなら、非常に価値があります。
農業では「効果がある」だけではなく、
その対策にお金と時間を使う価値があるのか?まで考える必要があります。
私は利益をそのまま経費にガンガン使ったり試験運用が多かったりで中々内部留保を削ってきました。
まとめ|今年も梨を守りながら収穫を目指します
和梨には敵がたくさんいます。
カラス。
カメムシ。
病気。
水不足。
そして台風。
人間がどれだけ頑張っても、自然相手なので思い通りにならないこともあります。
それでも毎年、
「今年はどうすれば被害を減らせるか?」
と考えながら少しずつ改善しています。
FarmNozomiでは、大規模農家のように高額な設備を一気に導入するのではなく、小規模農家でも実践できる方法を実際に試しながら改善していきます。
今回紹介したカラス対策や散水設備についても、実際に試した結果を今後紹介していく予定です。
梨を買ったときには、
「この1個もいろんな敵を突破してきたんだな」と思ってもらえたら、生産者として少しうれしいです。
今後より良い方法が見つかったらシェアしますので参考になれば嬉しいです。

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